ABS機能の仕組み・ドクタースピードの必要性・OPマルチメーターとの併用について解説します。


ABS機能の仕組み

ABSモジュレーターが前輪・後輪の車速信号から回転差を読み取り、前輪のロックを検知するとABSを作動させます。
タイヤの空気圧や摩耗、体重、二人乗りの影響に備えて回転差には許容範囲(おおむね6%程度)がありますが、スプロケットやタイヤサイズを変更して回転差が常に許容範囲外になるとABSエラー(ランプが点滅)が発生します。
この様なABSエラーの回避とメーターの狂いを補正するためには、後輪側の車速信号を補正する後付け装置(以下、当社品名”ドクタースピード”)が必要になります。

なお、当社のOPマルチメーターの様な社外メーターに備わっているスピードの補正機能はあくまで「メーター内部だけの補正」のため、ABSモジュレーターの出すエラーを止める事はできません。後輪の車速信号はメーターより先にABSモジュレーターへ入るためです。


ABS付き車で以下の改造を行うとドクタースピードが必要になります。
・スプロケットの歯数を変更
・タイヤサイズを変更


ドクタースピード設定値の計算について

スプロケットを変更した場合:ノーマルの前後スプロケット比から交換後の変化量を入力。
例)ロング仕様のスプロケット(フロントの歯数を増やす、リアの歯数を減らす)=設定値は増加方向

リアタイヤのサイズを変更した場合:ノーマルリアタイヤ直径から交換後の変化量を入力。
例)大きなリアタイヤへ=設定値は増加方向

両方変更した場合:各変化量を掛け合わせた値を入力。

車種別の計算機を用意しました。クリックすると開きます。


モンキー125 JB03/JB05

 ドクタースピード品番:M1404


モンキー125 JB02

ドクタースピード品番:M1402


CT125 JA65

ドクタースピード品番:未発売(キタコ社製品等をご利用ください)


CT125 JA55

ドクタースピード品番:M1403


DAX125 JB04/JB06

ドクタースピード品番:未発売(キタコ社製品等をご利用ください)


GROM JC92

ドクタースピード品番:M1404


GROM JC61/JC75

ドクタースピード品番:M1402


マルチ計算機(全車種)

タイヤ直径の簡易計算機

(銘柄や空気圧で変わりますので、直径を実測する事をお勧めいたします。)


ABS無しモデル・ABSをキャンセルする場合

前後スプロケットとリアタイヤサイズの変更に伴う補正をOPマルチメーター側で行えますので、ドクタースピードは必要ありません。

【モンキー125・JB02のABS無しモデルやABSの無い海外モデル】
変更した前後スプロケットの歯数とリアタイヤサイズをメーターの設定画面にてそれぞれ入力してください。

【ABS機能をキャンセルする】
確実にABSを作動させないために、フロントの車速センサーのコネクターを抜いてください。
OPマルチメーターの設定項目【4.3】ABS有無の設定を"OFF"に切り替えてください。メーターのABSランプを強制的に消灯します。
変更した前後スプロケットの歯数とリアタイヤサイズをメーターの設定画面にてそれぞれ入力してください。

フロントタイヤのサイズを変更する場合

この補正を正しく行うには、ドクタースピードだけでは不足で、当社のOPマルチメーターの様なスピード表示を補正できる社外メーターとの併用が必要になります。
例えば、フロントタイヤを小さくすると前輪側の車速信号の数が増えるので、後輪の車速信号を補正で増やしてABSのエラー対策をする必要があります。しかし、後輪の車速信号はスピードメーター用の信号を兼用しているので、スピード表示は高速側へズレてしまいます。そこで、社外メーター側でそれを低速側へ補正します。

「前輪を小さく/後輪を大きくしている、又はその反対」

前輪と後輪の変更値を合わせた補正値をドクタースピードへ入力することで前輪/後輪の回転差を無くし、ABSエラーが出ない様にします。ただしメーターへ入力される車速信号は正しくないため、OPマルチメーターで表示速度を適切な値へ補正します。
文章での説明が複雑になりますので、マルチ計算機を使い補正値を確認してください。

「前輪/後輪共に同じサイズへ変更している場合」

前輪/後輪の回転差が発生しない変更の場合、ドクタースピードは必要ありません。OPマルチメーターへ実際のリアタイヤサイズを入力していただくだけで大丈夫です。ただし、スプロケットの歯数も変更する場合は前輪/後輪の車速信号がズレるため、ドクタースピードが必要になります。マルチ計算機を使い補正値を確認してください。

社外のトンランスミッションキットについて

武川社製JB02用5速ミッションキットの場合

多段数化に伴いセカンドカウンターギアの位置が少し変わるため、基本的には同社製の後付け車速センサー(スピードセンサーキット)も必要になります。ただ、ノーマル車速センサーをそのまま使えたという実績がありますので、ここでは2種類の設定値を説明します。(セカンドカウンターギア:32T)

【ノーマル車速センサーを利用する場合

メーターの設定画面で必要な値を入力します。
【1.6】車速信号数:32
【5.2】1速:2.333【5.3】2速:1.684【5.4】3速:1.272【5.5】4速:1.040【5.6】5速:0.923【5.7】NON
前後スプロケットやリアタイヤを変更している場合は上の「ドクタースピードの組み合わせ」の内容をご参照ください。

【武川製車速センサーを付ける場合

車速信号については、武川社のキットに付属の変換装置にて補正済みのため、OPマルチメーター側のスピード関連の設定項目は標準値のままにしてください。
【1.3】速度誤差補正:107.2% 【1.4】フロント:15T 【1.5】リア:34T 【1.6】車速信号数:31 【1.7】リアタイヤ直径:498mm
※GPSメーター等と比べて微調整する場合は、【1.3】速度誤差補正をお使いください。
メーターの設定画面で各ギアの変速比を入力します。
【5.2】1速:2.333【5.3】2速:1.684【5.4】3速:1.272【5.5】4速:1.040【5.6】5速:0.923【5.7】NON

武川社製JB02用4速クロスミッションキットの場合

セカンドカウンターギアの位置と歯数はノーマルと同じ(31T)ため、メーターの変速比の設定値を変更するだけでご使用いただけます。

メーターの設定画面で各ギアの変速比を入力します。
【5.2】1速:2.500【5.3】2速:1.631【5.4】3速:1.227【5.5】4速:1.083【5.6】NON【5.7】NON
前後スプロケットやリアタイヤを変更している場合は上の「ドクタースピードの組み合わせ」の内容をご参照ください。

キタコ社製JB02用5速ミッションキットの場合

トランスミッションの仕組みの都合上、ニュートラル時にセカンドカウンターギアが空転する(=ノーマル車速センサーを利用するとニュートラル時に表示速度が上がってしまう)ため、同社製の後付け車速センサー(速度パルス変換ユニット&センサー)との組み合わせが必要になります。
ただし、メーターの出力するセンサーの駆動電圧の僅かな違いのために、キタコ社の説明書通りに接続しても車速センサーが機能しません。その対策として、車速センサーキットの電源線(赤コード)の接続先を車体ハーネスの3Pカプラーからキーオン12V電源(アクセサリー電源)へ変更してください。おすすめの接続先はリアブレーキスイッチのプラス側(黒コード)になります。
車速信号については、キタコ社のキットに付属の変換装置にて補正済みのため、OPマルチメーター側のスピード関連の設定項目は標準値のままにしてください。
メーターの設定画面で各ギアの変速比を入力します。
【5.2】1速:2.571【5.3】2速:1.722【5.4】3速:1.333【5.5】4速:1.130【5.6】5速:1.000【5.7】NON